幼児教育において大切にしたいこと


自分の身のまわりのことを、自分でできるようになっていくためには、幼児期におけるしっかりとしたしつけと訓練が必要です。排泄のしかた、衣服の脱ぎ着、はながでたらかむ、汗をふく、自分の物を決められた場所に収納する、整理・整頓や後片付けをする、正しい食事のマナー等々幼稚園生活には、子どもたちが身に付けていかなければならないたくさんの基本的な生活習慣があります。 それらのことを一つひとつ毎日の生活のなかで、しっかり訓練して身につけさせていくことが大切です。それらの生活習慣は家庭においてしつけられるのが基本ですが、幼稚園においても大切な発達課題の一つです。

子どもは、自分の世界をもつことがとても大切です。自分だけの世界にひとりでじっくりとひたりきること、自分のしたい遊びに十分に熱中すること、一人遊びの充実がその後の仲間との生活や遊びの土台になるのです。めばえ幼稚園は、一人ひとりを大切にし、豊かな遊びのできる子どもを育てます。自分で自分のしたいことを見つけたり、考えたりして、自分で決めたこと、自分が選んだことを、自分の納得するまで試したり、挑戦したりする生活を大切にします。他人からの借り物や押しつけでない、自分自身の自主的・主体的な園生活をおくる子どもを育てたいと願っております。

子どもは、仲間と共に育つことによって、社会性を身につけていきます。幼稚園生活のなかで、ごく自然に子どもは仲間を見つけ、仲間と関わって遊ぶようになります。一人遊びに熱中していくうちに、子どもは仲間と協力したり、仲間と一緒に遊ぶ楽しさに自分の心を開いていくのです。

子どもは、子ども時代に習得しておかなければならないさまざまな文化的な学習課題をもっています。音楽・絵画・文学・体育・造形等々の諸活動です。 すぐれた子どものための文化を伝えていくと同時に、幼児期にしかない柔軟な感受性や感性から生み出される、創造的な文化を生みだしていく子どもを育てたいのです。世界に一冊しかない絵本の創作や陶芸活動はその代表的なものです。

子どもは人間であり、けっして動物の「仔」などではありません。したがって、動物のように「仕込まれ」たり、「飼いならし」たりされる存在ではありません。 決まりきったレールのうえを、一方的に歩かせられたり、あれこれの知識や技能を形式的に与えられたりして育ってはならないのです。 命令や指示に従うだけの、受身の生活は子どもをだめにしてしまいます。個性や自主性を殺してしまうからです。 子どもは、自分の手や道具を自由に使い、思う存分にものごとに集中し、熱中する生活を通して人間らしい発達をとげていくのです。

めばえ幼稚園は、地域のもつ子どもを育てる力、父母の子育ての力を子どものために豊かに生かしていく教育を実践してきました。お母さんたちのグループ活動やボランティア活動が、とても活発に行われています。お父さんたちの活躍も盛んです。幼稚園生活を親子三代で楽しむのが、めばえ幼稚園の特色です。「子育てを楽しむ会」や「ふれあい塾あびこ」などの活動もその一環です。

自然は子どもを育てる宝庫といわれます。毎日の生活のなかでの自然との豊かなふれあいを通して、子どもの心とからだと感性を育てることが、とても大切です。 今の都市化された環境は、子どもが自然のなかで、のびのびと活動する機会を奪っています。めばえ幼稚園は、豊かな自然環境に恵まれた、今どきめずらしい程、子どもの楽園と呼ぶのにふさわしい生活環境を整えている幼稚園です。

神と人への畏敬の心を育て、神をうやまい、人を愛する心、神に祈り、感謝する心を育てることは、幼児期の大切な教育課題のひとつです。めばえ幼稚園は、我孫子キリスト教会付属幼稚園として発足して以来半世紀、宗教的情操教育を大切な柱として、幼児の教育にあたってきました。私たちは、子どもを神からの授かりものと受けとめ、教育という仕事を神とご両親からの委託と考えています。子どもの教育は、神聖なものであり、尊いしごとです。親、教師といえども、子どもの教育を私物化し、一方的な押しつけや、強制によって、子どもを自分の思い通りに従わせようとするような教育・子育ては神に対する冒涜であり、子どもの人間性を踏みにじる、許しがたい誤りであると思っています。

 教育方針について


本園の教育方針と著しく異なる方針をもって幼児を育てられるご両親の場合、幼稚園の教育はかえって幼児の心情をそこない、人格の望ましい発達をさまたげることとなって、教育の効果はまったく期待できないと考えますので、入園をお断りいたします。 入園後においても、充分な話し合いのうえ、退園していただくこともございます。 子どもの望ましい成長と発達のために、私たちはあくまでも子どもの立場にたって幼児教育を考えておりますので、あらかじめご承知おきください。

入園のしおりと入園案内は、幼稚園と保護者の方との契約のしおりです。 入園のしおりでお知らせすることは、子どもの教育に関する契約の内容であり、約束事です。よくお読みになり、ご納得のうえ入園をお決めください。

 めばえ幼稚園の教育目標


乳幼児期に運動体験がきわめて不足した子どもの場合、精神発達や情緒性の発達、特に知的発達におくれが生じることが、統計的に明らかにされています。 情緒障害や社会的不適応というような状態をまねいて、子どもの正常な発達をさまたげることになるのです。

心とからだの健康は、密接なつながりがあります。幼児期の豊かな運動体験をとおして、心身の諸機能を望ましく発達させることにより、その後の幸福な生涯の基礎を、しっかりとすえるのです。

近代教育の父と言われたペスタロッチは、「どんな人でも、少年時代に蝶を追って自分でそれをとらえ、山野を走り回って草花をさがした経験をしたものでなければ、後にどんな研究をしても、その研究はあまり進歩するものではない」とスイス週報のなかで語っています。

自然のもつ豊かな教育力につつまれて、思う存分にからだを動かし、自由に動き回る生活こそ、幼児期に「なくてならぬ生活」なのです。

幼児期は体験学習の時期です。五感をつかい、からだを通しての直接的な体験によって、確かな知識や能力を自分のものにしていくのです。 スイスの発達心理学者J.ピアジェは、自発性の原理こそ子どもが知識を自分のものにしていく唯一の道である、と言っています。他から押しつけられたり強制され たりして、一方的につめこまれる知識は子どものほんとうの知識になりません。 子どもが自分自身の興味や関心にゆり動かされて、無我夢中になってものごとに取り組んでいく時に、ほんとうの知識や技術を身につけていくのです。 それが子どもの「生きる力」になっていくのです。

私たちはたった一度の幼児期を生きる子どもたちに、自由でのびのびとした豊かな遊びの生活をふんだんに体験させながら、心とからだの健康づくりをめざします。

美しいもの、真実なものに感動し、それらを受容する豊かな心のいろどりは、幼児期に形成されます。 感情や情緒の豊かさは、人の全生涯の幸福につながります。 子どもは、同年齢の仲間との遊びや仕事をとおして、子ども同志でなければ経験することのできない、たくさんの貴重な体験を積み重ねていきます。 物や場所を取り合ってけんかしたり、自分たちできめたルールをめぐってはげしくやりあったりしながら、子どもは社会性や協調性など、大切な力を身につけていきます。

社会に開かれていくことをとおして、子どもは人間的に発達していくのです。 さらに、他を思いやり、仲間の悲しみや痛みを分かち合う、やさしさやいたわりの気持ちなど、人間として、また人間にふさわしく育っていくために必要な、感性や情緒性を、子どもは仲間との生活をとおして自分のものにしていくのです。

また、子ども一人ひとりの個性や特性といわれるものも、集団のなかでのさまざまな仲間との出会いをとおして明らかになっていくのです。 なによりも、自由なのびのびとした雰囲気のなかで、自分に自信をもち、自分の生活、自分の遊びに意欲的・積極的に向かっていく、楽しさいっぱいの園生活のなかで、子どもの豊かな感情と情緒が育っていくのです。

幼児期の子どもにとって、一番大切なことは、自分と自分をとりまく周囲の人たち・・仲間、教師、近所の大人たち、そして両親など・・への、確かな信頼感をもつことです。人間と世界に対するしっかりとした信頼感を幼児期に身につけることが、その後の人生を真に実り多いものにしていくための、基礎・基本となる教育だと私たちは確信しています。

誤解していただきたくないのは、私たちが知育を軽んじてはいない、ということです。 私たちは、単なる読み、書き、計算という、外にあらわれ、目に見える知力より も、ほんとうの知識、生きる力となる真の知恵を大切にしたいのです。

優れた体力にささえられ、豊かな情操と感性に包まれた、円満な人格に宿る真の知力を大切にしたいのです。

教育にはインスタント<速成>ということがありません。外にあらわれる即席の効果ばかりを求める「狂育」よりも、子どもの生活体験の深さ、生活内容の豊かさを大切にします。 教育という営みは、目先の効果よりも、二十年、三十年先を見通しての、人間の生涯にかかわることがらです。子どもを人間として育てていく教育を大切にし、子どもの将来にたいする責任を負うことのできる教育をしたいと願っています。 もう一度、J.ピアジェの言葉を引用するなら「幼児期の感覚運動的体験がその後の論理的、言語的な知的操作の時期を迎える基礎となるのであって、知的能力は運動機能から分化して発達することになる」のです。 しかも、世界的に有名な神経生理学者であるD.O.へップ博士は、運動経験が知的発達の基礎となる時期は、生後の数年間であり、この臨界期を過ぎてしまうと、遅すぎて間に合わなくなってしまう、と警告しています。

幼児期に思う存分体を動かして、無我夢中になって遊びに熱中し没頭すること、どろんこにまみれて遊びまわる生活のなかで、子どもは実に豊かな学習をしていくのです。仲間と力を合わせて、いろいろな試行錯誤をしながら、自分の手を使って取り組むささまざまな造形活動やことばを使う活動などを通して、子どもは将来の知的操作の時代に備えているのです。

私たちは、子どもが幼稚園での生活全体をとおして、積極的意欲があり、気力が充実し、たくましく生き生きとした、子どもらしさのみなぎる子どもに育ってもらいたいと願っています。

 幼児期の発達課題について


3才から5才にかけて、子どもたちが、自分自身の足でしっかりと、踏み固めて、身につけてもらいたい課題を、私たちは次のように考えています。

  • 自立への基本的な態度を身につける。
  • 自由に伸び伸びと、自分を表現できる力を身につける。
  • 自分からすすんでいろいろな課題に挑戦し、それを実現していこうとする意欲や積極性を身につける。
  • 仲間と一緒に遊びや活動をするのを喜び、楽しむ心や態度を豊かに培う。
  • 健康で活動的な子ども
    (A)   自分のやりたいことに積極的に取り組み、満足感や成功感を味わいながら、健康的に育つ子ども
    (B)   自分の思いや願いをはっきり表現できる子ども
  • 仲間遊びを充分に楽しむ子ども
    (A)   一人遊びをたっぷり経験して、自分の世界を豊かにもつ子ども
    (B)   仲間の気持ちを大切にし、思いやりとやさしい心をもつ子ども
  • 情操の豊かな子ども
    (A)   楽しい園生活での豊かな感情体験を通して、望ましい情操を身につけていく子ども
    (B)   自分の思いを豊かに表現できる子ども
  • 幼稚園が必要と認めた場合には、お子さんの望ましい発達を保障するため、専門機関等での診断を受けて必要書類を園に提出して頂きます。
  • 保育料は年額納付を原則としますが、12カ月に分割して納付して頂くことにしております。出席日数に変動があっても、保育料は変わりません。
  • ご家庭やお子さんの都合で4カ月以上欠席することになる場合、休園の手続きをおとり頂くことがあります。休園期間は、卒園時に保育年数から除かれます。
  • 年間を通して気候の変化や園の事情等により、保育時間が変更になることがあります。
  • お子さんの指導上必要なことは、できるだけ細かくお伝えください。特に、持病や障害等については、これまでの経過やその対応の仕方等を含めて、詳細にお伝えください。